インフルエンザが増えている?

02/11/2025

粘膜からウイルスが検出されるという事と感染するという事は違う

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まず理解する必要あるのはインフルエンザのウイルスが検出されるという事とインフルエンザに感染するという事は違うという事です。昨日書いたようにインフルエンザのウイルスは日常の生活で皆さんの鼻の粘膜やのどの粘膜に付着しているわけですが、ウイルスの付着=感染の成立ではありません。

人間の身体には免疫という防御システムがあります。ウイルスが粘膜に付着するとIgA抗体という蛋白が粘膜に動員されてウイルスを攻撃します。その際、ヒスタミンなどの化学物質が分泌され鼻づまりを起こしてウイルスの気道への侵入を抑え、咳や鼻水を誘発してウイルスを体外に排出しようとします。暴露されるウイルスが大量だったりこちらの免疫が調子悪かったりすると粘膜を超えて気道にウイルスが侵入してきます。気道でも同様の防御反応が働くのですがこちらでも免疫が敗れた場合にはさらに奥に入ってきていよいよ感染が成立するというわけです。

さて、ほんの数年前まではウイルスの迅速検査キットはそれほど高性能でもなくあまり普及もしていなかったのですが最近は非常に短時間にしかも高感度でウイルスを検出できるようになりました。これは便利ということで学校や会社などの非専門職の人がインフルエンザの迅速検査を積極的にリクエストするようにいなったわけです。今までは医師が診断しないとインフルエンザかどうかわからなかったのが迅速検査キットを使えば簡単にわかると。

ウイルスの迅速検査キットは改良がすすんでいる

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ウイルスの検査キットではすでにご存知かもしれませんが綿棒で鼻の粘膜をこすってウイルスがいるかどうかを検査します。思い出して欲しいのは鼻の粘膜には日常の生活をしていると当たり前のようにウイルスが付着しているという事です。ちょっと前までは検査キットの感度が低く相当量のウイルスが付着していないと陽性にはならなかったのですが検査キットの感度があがったのでごくわずかの粘膜に付着したウイルスも検出することが可能になりました。たいした症状もないのに検査をしたら陽性だったとか、よく聞く話ですが、単純に感染が成立する前のウイルスを検出しているだけの話です。今年のインフルエンザはB型で症状がでないとか記事を見かけますが、免疫がウイルスに勝てば感染は成立していないので症状は出ないのが当たり前です。

迅速キットで陽性とウイルス感染とは異なります。感染を成立させないためにはウイルスの暴露を防ぐこととに加えて、免疫の調子を維持することです。昨日話したように温度と湿度でウイルスを攻撃して自分の体を守り切ることができれば鼻粘膜にウイルスが付着してても問題ありません。感染が成立しているかどうかの判断は医師でないとできないと思います。医師の判断が正しいとは限りませんが、すくなくとも迅速キットの結果と症状を照合して考えるだけのトレーニングを受けているわけですから素人判断よりはましなはずです。

正しい知識

Posted by 管理人