インフルエンザの治療戦略

02/11/2025

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毎年この時期になるとインフルエンザで休む職員も増えてくるのですが、見ているとどうもやってはいけないことばかりやって治療が長引いているような気がします。一般的なインフルエンザ対策といえば

  1. 予防接種を打つ
  2. 早めに受診して薬を飲む
  3. 高熱には解熱剤を使って対処
  4. 罹患中はしっかり食事をして栄養を取る

といったところだと思いますがそもそも日本で使っているインフルエンザワクチンは抗体産生能力は無いので予防効果は限られています。既にかかったことのあるインフルエンザにしか理論的に効果はありません。しかしすでにかかったことのあるインフルエンザであればわざわざワクチンを打たなくてもそもそも抗体があるわけですからあまり意味はありません。

 

早めに薬を飲むと言うのもナンセンスです。普段健康に生活している人であれば抗ウィルス薬を服用しようとしまいと1週間ほどで治ります。罹患初期から抗ウィルス薬を使用すると免疫の立ち上がりが遅くなるので抗体産生=治癒と考えるのであれば治るのが遅くなりますし、薬剤耐性株の出現のことを考えるとやたらと使用すべきではありません。抗ウィルス薬はあくまでも免疫の低下している弱者のためにとっておくべきものです。

 

高熱に対して薬を使って体温を下げると言うのも、体の免疫反応として熱が出ている上にインフルエンザが熱に弱いということを考えると実にナンセンスです。解熱剤を使えば一時的に熱が下がりますが、免疫には不利になりウィルスには有利になります。結果的に治療は長引くばかりです。

 

無理して食事を取ると言うのもなぜそこまでこだわるのか分かりかねます。食事が取れないのであれば食事をとらなければいいだけの話で普通に普段健康にしている人ならば1週間ぐらいは水分だけ摂取していれば生活できます。体はウィルスと戦うために消化管の動きを止めてエネルギーを温存しているわけですからそこに無理矢理食事を突っ込むのは敵に塩を贈るようなものです。我々の免疫はウィルスと戦っているわけですから早く治したいのであれば我々のすべき事は自分たちの免疫に有利になるように動くべきです。