最新のエビデンスほどあてにならないものはない その2
最新のエビデンスがあてにならないからといって新しい情報を全く信用してはいけないと言うわけではありません。新しい情報の中にも今後の検証を得て最終的には確立されるべき正しい知見も含まれているはずです。どのような データーであればある程度信憑性があると考えられるのでしょうか?
新しいエビデンス(報告)は理屈に基づいて考える
新しいデータがエビデンスとして提示された場合にはそのデータが過去の確立した知識やエビデンスの組み合わせで説明できるかどうかで信憑性を予測できます。 マスコミの報告だとしばしば理屈の部分をすっ飛ばして結論だけがセンセーショナルに報告されることが多いのですが そのような情報には特に注意が必要です。今までの確立した医学知識に基づいて新しい情報が説明できるかどうか。全く新しい知見であれば過去のデータの積み重ねでは説明できないこともあるのですが、今までの理屈の組み合わせで説明できないような センセーショナルなデータは えてして検証の過程で淘汰されることが多いと思います。
メカニズムに関するエビデンスは比較的信用できるが、 結果に関するエビデンスは要注意
コロナウィルスで例えて言うとスパイク蛋白がレセプターと結合する仕組みだとか突然変異を起こす仕組みだとかいった メカニズムに関するエビデンスは比較的信用できます。反対に注意しないといけないのは 治療薬の効果であったりワクチンの効果であったりといった結果を報告しているようなエビデンスです。 マスコミが大々的に報道するのはこのような結果に関するエビデンスがほとんどなのですがこれらのエビデンスは 理屈が 後付けで考えられる傾向が特徴です。 治療Aと治療Bを比較したときに効果が何%だったがその理由はなになにあったと考えられるといった形です。 結果を報告してから理由を後付けで考えるようなエビデンスは えてしてその理由が報告する人にとって都合の良いものになっています。理論ではなく推論を述べているので自分に都合の良いことを何でもこじつけることができるわけです。
メカニズムに関するエビデンスを 理論的に組み合わせて自分で考えよう
ある治療法に効果があるかないかについては、 その治療法の作用機序 に関するエビデンスを理解した上で確立した理論に基づいて考えることが大切です。 確立した理論とは昔からある教科書に載っているような有名な理論のことで 我々が大学なり高校なりで勉強してきた知識のことです。 コロナウィルスに関しては例えばワクチンの副作用はワクチンの作用メカニズムとコロナウィルスの感染メカニズムを理解すればある程度予測できます。マスコミが異物混入がどうしたとかアナフィラキシーがどうしたとか騒いでいますが実はそのような副反応は理論的にはあまり重要で なく、 もっと重要な副反応のメカニズムがある事は少なくとも大学で医学や生物学を勉強してきた人間であれば簡単に予想できることだと思います。














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