機能画像と核医学:人体の機能を画像で診る技術
私たちが人体の内部を画像で見ると聞いて思い浮かべるのは、レントゲン写真やCT、MRIなどの断層画像ではないでしょうか。これらの技術は、主に人体の構造を可視化するものであり、医学の分野では「解剖学的画像」と呼ばれています。これらの画像診断技術は、骨折や腫瘍といった、形として確認できる異常の発見に役立ちます。
しかし、病気の多くは初期段階では構造的な変化を伴わず、解剖学的画像だけでは異常を検出するのが難しいことがあります。例えば、ある臓器が正常に機能しているかどうかは、形だけでは判断できません。そこで重要になるのが「機能画像」と呼ばれる診断技術です。
機能画像とは?
機能画像とは、人体の特定の機能を反映する信号を捉えて画像化する技術の総称です。具体的には、シンチグラム、RI(ラジオアイソトープ)、PET(ポジトロン断層法)、SPECT(単光子放射断層撮影法)など一般的に核医学と呼ばれる技術が中心となります。これらの技術を用いることで、臓器や組織がどのように活動しているかをリアルタイムで評価できます。
昼と夜の風景写真で考える人体の画像診断
機能画像の概念をわかりやすく説明するために、風景写真を例に考えてみましょう。
昼間の神戸市街の写真を見ると、道路や建物の配置がはっきりとわかり、街の構造が詳細に理解できます。これは、CTやMRIによる解剖学的画像と同じで、人体の構造を可視化する役割を持ちます。(© 一般財団法人神戸観光局)

一方、同じ場所を夜景として撮影すると、建物の形はぼんやりしていても、どのエリアが賑わっていて、どこが静かなのかが一目でわかります。これは、機能画像の考え方に似ており、組織や臓器の活動レベルを可視化するものです。

機能画像の実用例
例えば、脳の異常を発見する場合、CTやMRIでは明確な損傷や腫瘍が見られないことがあります。しかし、PETを用いることで、脳の特定の領域が活動していないことが明らかになり、認知症などの病気を早期に発見できる可能性があります。
まとめ
CTやMRIといった解剖学的画像は、人体の構造を詳細に把握するのに適していますが、機能的な異常を見つけるには限界があります。一方、機能画像は、体の特定の機能に着目して診断を行うため、病気の早期発見や詳細な機能評価に役立ちます。これらの技術を適切に使い分けることで、より正確な診断と治療が可能になります。
現代の医療では、解剖学的画像と機能画像を組み合わせることで、より高度な診断が実現されつつあります。これらの技術の進歩により、私たちはこれまで以上に病気を早期に発見し、適切な治療を受けることができるようになっています。













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