立ちくらみは貧血ではない

02/27/2025

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お風呂にゆっくりつかっていて立ち上がった際にふらふらっとする感じ。目の前が急に暗くなってバタンと倒れてしまう人もいます。小学校の朝礼で倒れてしまうのも同じ。よく貧血が起こったなどといますが医学的には貧血ではなく起立性低血圧という病態です。

起立性低血圧の仕組み
貧血は赤血球の数や酸素の運搬能力に問題があり起こる病態ですが、起立性低血圧は赤血球自体には問題はありません。どちらかと言うと神経の問題で自律神経機能に関係しています。自律神経には大きく交感神経と副交感神経の2種類があり末梢血管に対しては交感神経が血管を収縮させ、副交感神経は血管を拡張させる機能を持っておりそれぞれが拮抗してバランスをとっています。

湯上がりの起立性低血圧で説明するとお風呂にゆっくりつかっていると体はリラックスし副交感神経が活発に動いてる状態です。お風呂では半分寝そべったような格好になっていると思いますが、この状態だと末梢の血管は開いた状態でも脳に行く血流は保たれています。お風呂から出ようとして立ち上がる際には、本来であれば直ちに交感神経が活発に働いて下肢の末梢血管を引き締め、脳に行く血流を確保します。この副交感神経から交感神経への切り替えがうまくいかないと血流が重力に従って下肢に流れ込むので脳に行く血流が一過性に低下してふらつくというのがそのメカニズムです。

 

起立性低血圧は突然死の原因となることもある
しばらくしゃがみこんで待っているとやがて交感神経への切り替えが働いて脳への血流が回復することがほとんどだと思いますが、加齢現象やいろいろな病気に伴い自律神経の切り替えが遅くなるとちょっとしたことでも立ちくらみを起こすようになります。よく老人が夜中にトイレに立とうとして倒れて頭を打ったりして大変なことになるのですがこの起立性低血圧が原因です。血管を閉めたり緩めたりしてコントロールすることができなくなるわけですから低血圧だけではなく高血圧も理論的には起こりうる状態です。起立性低血圧の見られる患者で脳出血や脳梗塞で突然死することが多いのはこのように説明できます。

 

起立性低血圧はトレーニングで予防できる
起立性低血圧を起こす原因としては加齢や糖尿病による自律神経の退縮の他、動脈硬化にともない神経がいくら動いても血管が反応してくれない状態などが考えられます。動脈硬化ができあがってしまってからでは遅いのですが、その前であれば理論的には神経や筋肉は鍛えることができるのでトレーニングにより起立性低血圧だけではなく動脈硬化も予防することができます。要は血管が収縮したり拡張したりという状態を普段から作っておくということで、そのためには日常生活のアクティビティーをあげて軽く汗をかく程度の運動を取り入れることが効果的と考えられます。また単に運動するだけではなく頭の位置が足の位置よりも下になるようなシチュエーションを時々意識して作ってやると効果的であると考えられます。