メタボリックシンドロームは、薬剤で治療するような病気ではない

02/20/2025

現代人にとって親しみのある言葉となった「メタボリックシンドローム」。これは肥満や高血圧、高脂血症、高血糖など、成人病の原因と認識されています。しかし、医学的に体の仕組みを考えるとメタボリックシンドロームは薬剤で治療するような病気ではないということを理解することが重要です。

メタボリックシンドロームは内臓肥満から始まる

メタボリックシンドロームは、病気というよりも、その先にある病気の難治化を防ぐためのサインとして考えられるべき状態です。そのファーストステージである内蔵肥満はダイエットや運動不足などの生活習慣が原因であり、蓄積した内臓脂肪から出される炎症性サイトカインによる慢性の血管炎が動脈硬化の原因となり、その結果として脳や心臓などの重要臓器に血流不足が生じるので、それを補うために高血圧を引き起こします。同時に、慢性炎症によりダメージを受けた血管壁を修復するために肝臓がコレステロール(細胞膜の材料)を生成し血管壁へ運ぶのですが、この状態を採血で測定すると高脂血症と言うことになります。これが高血圧や高脂血症の発症メカニズムであることを認識した上で対応を考えないといけません。

薬剤では解決できない理由

上記の発症メカニズムが理解できれば、いわゆる降圧剤や抗コレステロール薬などで検査上の数値を一時的に改善したとしても、基本的な問題は解決されていないことは理解できるかと思います。

例えば、高血圧のときに血圧を低下させる薬を用いることはできますが、そもそもの原因が動脈硬化による臓器への血流不足にあるわけですから、降圧剤で血圧を下げてしまうと重要臓器への血流が低下する事は簡単に理解できるかと思います。

コレステロールのお薬にしても同様で、慢性炎症により傷ついた血管壁を修復するために肝臓ががんばってコレステロールを生成しているのですから、お薬でコレステロールの生成を低下させると血管壁での慢性炎症の修復が阻害されて動脈硬化が進行してしまいます。成人病の薬は真面目に服用すればするほど止めれなくなると言うのはこのような仕組みであることを理解すべきです。

メタボリックシンドロームの改善法

メタボリックシンドロームの改善には、主に二つの方向性が重要です。

1. 食生活の規律化

カロリーバランスの見直しにおいて、特に重要なのはシュガーバランスです。糖質の過剰摂取は血糖値の急上昇や内臓脂肪蓄積の原因となるため、加工食品や甘味料の使用量を抑えることが必要です。

2. 運動量を増やす

運動はメタボリックシンドロームの改善において不可欠な要素です。

- 有酸素運動:ウォーキングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動は、内臓脂肪を効果的に燃焼させる働きがあります。これにより、肥満解消が期待できます。

- 筋力トレーニング:筋トレは筋肉量を増やし、基礎代謝を向上させるために、身体全体のブドウ糖の消費量を増やす効果があります。これにより、血糖値の改善やインスリン抵抗性の低下が見込まれます。

結論

メタボリックシンドロームは薬剤で治療できるような病態ではないので生活習慣を整えることで健康を回復させることが重要です。