糖尿病予防法:筋トレの効果とは?

02/20/2025

生活習慣病の「四天王」――肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病。この中でも糖尿病は特に「ラスボス」的な存在で、生活習慣病の最終段階のように感じることもあります。血圧やコレステロールを下げる薬を使っても、最終的には糖尿病になってしまう…そんな方も少なくないのではないでしょうか。では、糖尿病を予防する方法はあるのでしょうか? その答えを機能画像的なアプローチから理論的に探っていきましょう。

糖尿病の種類と2型糖尿病の発症メカニズム

糖尿病には「1型糖尿病」と「2型糖尿病」の2種類がありますが、生活習慣病の代表的なものは「2型糖尿病」です。2型糖尿病が発症するメカニズムを簡単に説明します。

食事から摂取した炭水化物は体内で糖分に変わり、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きで、血液中の糖分(血糖値)が調整されます。食後に血糖値が上がるとインスリンが分泌され、筋肉がブドウ糖を取り込んで血糖値を下げます。食後に時間が経つと血糖値が低下しますが、今度は肝臓からブドウ糖が放出され、血糖値は一定に保たれます。このメカニズムは脳がエネルギー源としてほぼブドウ糖を使っているため、血糖値が低すぎると脳の働きに影響が出るからです。ところが、2型糖尿病では血糖値が常に高い状態が続きます。高血糖が続いても脳には問題がないため、自覚症状が少ないのが特徴です。

糖尿病の原因:血糖値が高くなる理由

メカニズムを理解した上で少し考えれば当たり前のことなのですが、血糖値が常に高くなる原因として以下の3つが考えられます。

  1. 糖質を常に必要以上に摂取している

-食事で糖質を過剰に摂取すると、膵臓からインスリンが大量に分泌され、血糖値を下げようとしますが、摂取量が過剰であればそれを処理しきれなくなり、血糖値が高くなります。

  1. 筋肉がブドウ糖を取り込む能力が低下している

-筋肉は運動や筋トレによってブドウ糖を効率よく取り込みますが、運動不足などにより筋肉がその能力を低下させてしまうと、血糖値が上がりやすくなります。

  1. インスリンが適切に分泌されなくなっている

-生活習慣の乱れや加齢により、膵臓のインスリン分泌能力が低下し、血糖値を調整する力が弱くなります。これが進行すると、最終的には2型糖尿病になります。

実際には、この順番で糖尿病が進行することが多いですが、1と2が逆転している人も見受けられます。

糖尿病の予防法:3つのポイント

原因がわかれば予防は簡単です。2型糖尿病を予防するために重要なポイントは以下の3つです。

  1. 過剰な糖質摂取を控える
  2. 筋肉がブドウ糖を取り込む能力を高める
  3. インスリン分泌を適切にコントロールする

これを実現する方法として、次のアクションを取り入れると良いでしょう。

  • 適切な糖質制限:過剰な糖質摂取を抑え、血糖値の急激な上昇を防ぎます。
  • 筋トレ:筋肉がブドウ糖を効率よく消費するため、定期的に筋トレを行いましょう。
  • 空腹時間の確保:膵臓を休ませるために、食事の間に適度な空腹時間を設け、インスリン分泌を調整します。

理論的にはこれらの3つを実践すれば、2型糖尿病を予防できるはずです。

筋トレの効果はどれくらい続く?

筋トレを行うと、筋肉がブドウ糖を取り込む能力が向上します。興味深いことに、がん検診で行われるPET/CT検査では、数日前に筋トレをしただけで筋肉にブドウ糖がしっかり取り込まれている様子が観察されます。これは筋トレがブドウ糖吸収を促進する効果が数日間続くことを意味します。そのため、週に2〜3回の筋トレでも、筋肉がブドウ糖を効率よく取り込む能力を維持することが可能と考えられます。下に示すFDG PET/CTの画像では、前日の控えめな筋トレの結果として上肢(ピンク)や肩周りの筋肉(黄色)のブドウ糖代謝が少し上昇していることが示されています。

筋トレとサプリメントの関係

私が推奨する筋トレは、あくまで生活習慣病予防が目的です。SNSなどで「サプリメントなしで筋トレしても効果がない」と批判されることもありますが、健康を維持するためには筋肉にブドウ糖を代謝させることが重要です。マスコミでよく耳にする「プロテインを摂取して効率的に筋トレ」といった方法は、健康を目指すものではなく、体を大きくすることを目的としています。機能画像的なアプローチから生活習慣病予防のための筋トレでは、プロテインやサプリメントを使わなくても少しきつい目の筋トレをするだけで十分に効果があることがわかります。

まとめ

糖尿病は予防可能な病気です。食生活の見直し、筋トレ、適度な空腹時間を設けることで、2型糖尿病を予防することができます。毎日の小さな努力が大きな健康効果を生むので、ぜひ実践してみてください!